【 甘美なメロディーを奏でるように 】
求め続けてきた先に見えてきたもの。
成功という思考。
夢という自我。
そのどちらもが崩れてはじめて、やすらぎというものを知る。
求めるから得られないという逆説で成り立っている、この世界。
求めることをやめたことによって、ようやく少し自分らしさが見えてきた。
自分自身さえも愛してこなかったのだと。
不運に思えた出会いは、自分の中にある、まだ認めていないものを気づかせようとしていたのだった。
裁くべきものとして否定してきた、自分自身にこそ根付く認めたくなかったものを、あなたの姿に映し出すことによって。
湧き上がってくる苦々しい感情。
そんな感情を持っている自分を認め、罪悪感から解き放っていく。
悪いのは、わたしではなく、あなたでもない。
認めて貰えた感情は味わいつくされることによって安らいでいく。
愛に飢えた刺々しさで自らを傷つけ、ずっと傷ついてきたのだから。
理解されれば安らかな眠りに入り、やがて音も無く消え去っていく。
映り流れるままを味わい、そして染み付いた怖れと哀しみさえも愉しむために生きていけばいい。
岩をも打ち砕かんばかりに荒々しく叩き付けていた高波が、
甘美なメロディーを奏で魅了する、吸い込まれるような引き潮に変わっていくように。
Adagio on Blue. yoshi
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