【OPEN HEART】

 

 

自分がダメになるという血の通った温かい感覚。

自分にとって何が大事なことか・・・・。

打ち込めること、なにがあっただろうか・・・。

簡単にあげられそうでいて、あげられない。

実は、たいしたものは何も無かった。

 

 

明確に好きと言えるもの。 無い。

絶対に嫌いと言えるもの。 それも無い。

どれでも良かったし、誰でも良かった。

ついには、自分というもの。 それも無くなっていた。

感情を抑え、自分の意志を押し殺してきたからなのかもしれない。

それが普通に日常であり、やがて人生となってきていた。

 

 

アクセルを緩めるのか、それともブレーキを踏みだすのか。

そのタイミングと、力の加減。

狭まる領域に近づけば近づくほど身体が勝手に反応している。

失速し破綻するか、それともラインギリギリのところを持ちこたえ、駆け抜けられるか。

習ったテクニックは、何処かへ消し飛び、無意識の自分が動かしていた。

 

 

解き放て。闇夜の中で。

取り戻せ。生きているという実感を。

認めろ。怖くて踏み込めない自分であると。

その絶望に張り裂けるほどに叫び、枯れ崩れる、その寸前まで。

エンジンは、ありったけの力で応えようとしている。

意志という踏み込みでもって。

Speed Groove.

 

Special Thanks : GT-R Owner

Model : Nissan Skyline GT-R? BNR32

Story Editor : yoshi

(フィクションにつき本文と車両オーナーさんとは一切関係ありません)

   

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