【Future for GT-R】

 

 

R32GT-Rをはじめとした第二世代GT-Rのリフレッシュを特集した記事に興味を惹かれる。

多少の発錆や塗装の劣化はいくらかあるものの、レストアというほど酷くはない状態でもリペイントするケースがあるようだ。

その最たる理由は、R32GT-Rのデビューから20年が経過し、部品供給の製造中止懸念があるからだろう。

クオーターパネルを第一に、外板パネル類の供給を保証してくれるのならば、

駆け込み需要のような現象は起きないだろうに、そこが悩ましい。

経験上、慌てること、焦ることからは望むいい結果は起こらないと考えている。

焦りの意識が周囲の焦りをも引き寄せ、焦った結果としての仕上がりとなりやすい。

たとえば、塗装は下塗り、中塗り、上塗りと層を重ねていくが、各工程において乾燥時間が必要となる。

塗膜の表面が乾燥すれば次の工程へと塗り重ねていくことが可能であり、それが作業時間短縮の隠れた鍵のひとつともなる。

しかし、乾燥不十分の状態であると、後々に様々な塗膜のトラブルが生じる可能性がある。

余談となるが、芯から乾燥させていくためには、遠赤外線ヒーターや乾燥スペースなどの設備が必要となり、

さらなる慎重を期す作業を求めるのならば、それでも乾燥時間には余裕をみたいものだ。

塗装にとって気温と湿度の影響は大きく、夏季冬季の季節変化は当然のこと、日々の天候にも気を使う。

 

確かに、取り巻く経済環境、消費税の行方や部品価格の値上がり予想などの将来を案じれば、

ネガティブさが噴出するかのように湧き出てくる。

そのような社会全体の意識を反映してなのか、「いつやるの? 今でしょ !」 という、

なんとも行動を強く後押しするかのようなイメージを持つセリフが流行っているようだ。

これは見方を変えれば、とにかく早く行動させようと急かせているようにも聞こえてくる。

しかし、同じ「やる」にしても、急かされてやる場合と、冷静に判断をしてやる場合とでは結果は違ったものになることが多い。

おそらく自分の内なる声、気持ちを抑えて、外面の行動を優先するからなのだろう。

現代、とかく結果を早く求めることばかりに焦点があたりがちであり、それがかえって苦しい感情、ストレスを招くことにもなりやすい。

むしろ、行動の原点となる意識の状態の方に重きを置いたほうが、

自分の気持ちに素直な行動となるからストレスは感じないか、あっても少ない。

そして、そこを外しさえしなければ、「結果は後からついてくる」のではないだろうか。

先々の不安が渦巻く中で急な行動に移すよりも今の自分の意識状態をじっと見つめてみる。

焦る気持ちが静まり、選択の自由さを感じる中で決断をし、行動をしたほうが望むいい結果となるだろう。

また、物事が起こる時期は、それぞれに最適なタイミングというものがあるようにも思う。

R32GT-Rでいえば、既に錆が広がっているものもあるし、新車とほぼ変わらないコンディションのものもある。

しかし、いずれのコンディションであろうと変わらない、平等の可能性は秘めている。

それは一生Rに乗ると心に誓いリフレッシュをしたとしても、Rが公道を走るクルマである以上、

いつ何が起こるかは誰にもわからないからだ。

例によって事故を身近に見てきた者の習性のようなモノの見方となっているかもしれないが、

そう考えてみると、インフレ等の経済環境の変化や消費税率のことはともかく、部品さえ押さえておけば、

修理作業自体においては特段急ぐ必要もないと考える人がいてもいいのではないだろうか。

 

急を要しないコンディションである場合、また、余裕のあるオーナーは最大の懸念である製造中止に備え、

可能な限りの部品をストックしておくことが理想となる。

予備のホイールセットやマフラーなどの大物パーツと一緒にレンタル倉庫を利用するのも一法だろう。

将来的にオークションや旧車ミーティング等での部品購入はプレミア価格がつく可能性が考えられる。

では、ここで自分で部品をストックする場合に望ましいものを優先順位ごとにあげてみよう。

・リヤクオーターパネル

・リヤホイールハウス、アウター

・サイドシルパネル、アウター + エクステンション

・ルーフパネル

・リヤガラス3面+ガラスモール類一式

・リヤエンドパネル

・リヤフロアパネル一式(トランク内床)

・リヤサイドメンバー

と、ここまで主にリヤクオーターとサイドシル部分に付随するものがメインとなっている。

それはリヤの腐りの方が進み易く、また、ハンマーでの叩き作業や引き出し板金修理では

対応しきれなくなる可能性が高いからだ。

もし、優先順位一位のリヤクオーターパネルの供給が止まれば、

定番修理であるリヤホイールハウス周辺の錆除去が完全とはいかなくなるだろう。

あえて悪く言えば錆修理のイタチごっこ、鉄板の切継ぎ修理や、FRP、アルミ等の異素材接着修理が始まる。

これらはGT-Rに一生乗るという視点で見れば、錆を根治しようとするものではなく、錆と向き合い、

付き合い続けるのだと腹を括るというスタンスになる。

これを少し哲学ふうに喩えてみれば、覚醒した旧車ライフへの道を歩み出す、とも言えるだろう。

・・・・・ クルマに錆はあってあたりまえ。

錆を敵視し、完全にやっつけようと戦うのではなく。

錆の存在を受け入れ、錆びたクルマとどう愉しんでいくのか・・・・と、こんな感じになるだろうか。

ただ、もしそうなると、サーキットやスポーツ走行の現役でいることは難しくなってくるのかもしれない。

リヤクオーターパネルの内部、ホイールハウス、そしてリヤフロアからエンドパネル、

リヤメンバーにまで錆が進み腐食部分が広がればリヤセクションの強度低下は否めない。

なお、バンパーやトランク、ドア、フードは、社外のFRPやカーボンパーツなどが販売されているか、

開発される可能性が高いと思われるので優先順位は低く見ている。

勿論、ドアやフロントフェンダー、バンパー、ライト類も中古でいいので、ストックしておくに越したことは無い。

エアロなど社外品のフィッティングレベルは純正部品よりも低くなるのが一般的な通例である。

とりあえず、資金配分の優先度をリヤセクションの修理から考慮していくことを推奨しておきたい。

フロントセクションでは、インタークーラー、ラジエター等のエンジン補記類関係は

社外品への交換が主流となっていくだろうし、その供給の心配は今後も少ないだろう。

むしろ、GT-Rマガジンでも紹介されていた社外品のデジタルGセンサーのように、

純正部品よりも高性能かつ安価なパーツが今後もリリースされてくるのではないだろうか。

つまり、製造中止を怖れて急いでストックしておく必要はないのではないかと考えている。

そうなると、Rに一生乗ると決めた人にとって貴重となるものは、社外アフターメーカーが開発しそうにない

外装、骨格部品の方であるだろう。

フロントセクションは将来の錆修理の為にというよりも、期せずしてクラッシュした場合の為に

ストックしておくという意味合いの方が強い。

・コアサポート

・サイドメンバー(いわゆるフレーム)

・フードレッジ(ストラットタワー周辺)

・Aピラー

・エンジンメンバー

・フロントガラス+ガラスモール一式

ゴム類は長期保管していれば劣化する可能性もあるだろうが、

骨格部品は、よほどのことがなければ長期保管していても問題なく使える。

新品部品には防錆の為の黒い電着塗装が施してあるので、傷をつけたりしなければ大丈夫。

湿気に関しては、たまに倉庫内に風を通してやればいいだろう。

ウエザーストリップ等のゴム類に関しては、今号のGT-Rマガジンに記載されているように

既に開発計画が持ち上がっているようなので、純正部品が打ち切られたとしても期待が持てる。

おおよそ、この程度の部品が揃っていれば、仮に高速でスピンをし、前後左右と全周傷だらけになり、

フレームが曲がり、ガラスが割れ、ルーフに歪が出るレベルのクラッシュは、何年経っても再生可能となるだろう。

SPEED GROOVE.

 

Special Thanks : GT-R Owner

Model : Nissan Skyline GT-R? BNR32

Story Editor : yoshi

(フィクションにつき本文と車両オーナーさんとは一切関係ありません)

   

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