【Next Stage. 死よりも怖れていること】
なぜ、こんなにも心惹きつけてしまうのか。
なぜ、こんなにも求めていってしまうのか。
まわりは言う、もういいかげんにしておけ、それがあるべき正しい生き方なのだと。
そう受け入れ歩んでみたものの、なにかが違うような気がしてならなくなってきた。
おまえのためにという、彼らがいうとおりの正しさなど、ほんとうはないのではないか。
先の見えないオレの行く先を案じて答えを説く彼らこそ、なにかを怖れ、阻みたくなっていたのかもしれない。
心理学者はこう説く、人間にとっての最大の恐怖は死そのものではない。
死よりも怖れていること、それは変化することなのだと。
夢と希望、それを紐解いていけば、いまを不満に思っているから、ということが見えてくるようだ。
そして、人は夢や希望とはいいながらも、実のところは、いまの環境がそのまま続くことを無意識に願っている。
人間にとって変化するということ、夢が叶うということはそれほどまでにも怖いものなのだ。
それゆえに夢が夢であり続け、叶うものも叶わないということになっている。
この世界、やり尽くすということは一生かかってもないのかもしれない。
次から次へと足りないことと、やってみたいことが湧き出てくる。
ライバルたちも同じ気持ちで、必死になって追い上げてくる。
だが、ほんとうに怖いのはライバルたちではない。
次なるステージに進もうとしている自分を怖れている自分にこそある。
SPEED GROOVE
*本文と撮影協力車輛とは一切関係がありません